本葛(本くず粉)と秋月

yop001.jpg
筑前秋月は福岡県のほぼ中央部、山林と水田に囲まれたのどかな朝倉市に位置しています。
かつて秋月は、鎌倉から戦国時代にかけて勇名を馳せた
秋月氏、福岡藩黒田家の分家として栄えた五万石の城下町。
今も町中に残る武家屋敷跡の石垣、土蔵の白壁、古い格子の通りが往時の面影を色濃く伝えています。
その落ち着いたたたずまいから、
秋月は四季を通じて多くの観光客でにぎわいます。
背後に広がる山、
澄んだ空気、
清冽な流れ。
秋月の魅力はその豊かな自然を抜きには語れません。
そしてその恵まれた環境こそ、
本葛(本くず粉)づくりには最適だったのです。
昔、秋月の周辺の野山には至る所に葛が群生していました。
秋月では葛のことを寒根葛(かんねかずら)といい、葛の根を寒根(かんね)と呼びます。この寒根には良質の澱粉が含まれていて、この寒根から抜き出した澱粉を幾度となく水でさらしてアク抜きをして純白にしたもの、それが本葛(くず粉)です。
葛の根からとれる本葛(本くず粉)の量はわずか7~10%ほど。
百キロの根から7~10キロ程度しかとれません。
それも、その年の天候によっても左右されます。
台風で葉を落としてしまい光合成が十分にできなかったり、長雨が続いて日照時間が足らなかった年は、根の澱粉の蓄えが少なく、本葛(くず粉)のとれる量がさらに減少します。
本葛(本くず粉)が別名「白い金」といわれる所以です。
本葛(本くず粉)にはもともと解熱、発汗作用、筋肉や血管の緊張を和らげる働きがあり、昔から風邪、下痢、肩凝りに効果があるとされてきました。滋養強壮効果にも優れた久助本葛を、さまざまな料理やお菓子に幅広くお使いください。